ノルウェーの森
こんにちは、まるぞーです。
今日も図書館に行ってきました。
だいぶ長いこと読んでいた、ノルウェーの森を、今日ついに読破しました、
長くかかってしまったのは、この間私の体調があまり良くなかったこともありますが、いまいちこの本にのめりこめなくて、ついついほかの本や雑誌を読んでいたせいもあります。
ただ読後の感想としては、なかなか充実した小説でした。
ずっと昔、学生時代に読んだ本なのですが、内容は全く記憶していなく、途中で思い出すこともほとんどありませんでした。
ただ主人公が20歳の大学生であることと、恋愛小説だというのはなんとなく覚えがありました。
実際読んでみると、恋愛小説ではあるのですが、「死」というテーマが重く、主人公の恋人が、精神を病んで自殺に至るという、大変暗く悲しい話でした。
村上さんの本は、まだこれで3冊目ですが、ノルウェーの森は、唯一シュールな設定がなく、とても現実的でした。こういう内容のほうが私としては、感情移入ができて好きです。
ただ、前の2冊「海辺のカフカ」、「1Q84」と似ているところもあり、(文体や描写など)これだけ年代の違う時期に書かれたものなのに、村上春樹さんという人は、変わらない文章を書く人なんだと思いました。
あと一つびっくりしたのは、性描写です。登場人物、特にレイコさん、緑、直子といった女性の口から、セックスについてあまりにも直接的な表現で、あっけらかんと語られるのには、違和感を覚えました。
特に、レイコさんと、主人公の「僕」、直子が3人でいるときに、まだ初対面で間もないレイコさんの前で、直子が僕とのセックスの話をするのには、現実的にはないんじゃないかと思いました。
もちろん性体験には個人差があり、私とは比べようがないですが、今から30年以上前の時代としても、これは普通ではないと思いました。
もちろん物語の本流ではなく、性描写が過激というわけでもないのですが、あまりにもあっけらかんとした語り口には少々違和感を覚えました。
あとは死についてですが、これも村上春樹さんの他の小説でもよく出てくる重要なテーマですが、私にはどれもリアリティーが感じられないというか、希薄に感じられました。
この小説も例外でなく、死という大変なことが、苦痛とか苦しさが描かれず、さらっと描かれています。
作者の意図なのかどうかはわかりませんが、それでもこの小説はまちがいなく、死がテーマです。
読後は充実感もありましたが、重苦しい空気はそのままで、何かすっきりしない感じでした。精神を病むという問題は、私にも直結している問題ですので、何か憂鬱な気分はそのまま残りました。
なにはともあれ、これでまた図書館から、読んでみたい本が1冊なくなったわけです。さて次は何を読もうか。
図書館もちょっと行き詰まってきました。
それではまた。