父の隠し資産
こんにちは、まるぞーです。
先日は親の貯金について書きましたが、
実は父は若い頃からずっと株に投資していて、いくらあるのか、母を始め家族には全く内緒にしていました。
父ももう89歳ですから、もし急に亡くなったら、いったいどこにいくらあるのかが全くわかりません。
それで母が、「ちゃんとわかるようにしておいてよ」としょっちゅう言っているのですが、「死ぬ前には教える」というばかりで、相変わらず秘密主義です。
ところが最近、母親に「株はもうやめた」と言ったそうなので、母がいくらあるのかしつこく聞いたところ、母によると、なんとたったの400万円だというのです。
これも私の予想より0が一桁少ない額で、びっくりしました。
まさかこの年になってまで、さすがに嘘をつくということもないだろうと思いますので、これを信じるとしたら、何だか父が哀れになってきました。
とにかく父は若いころから株に熱心で、他に趣味はなく、毎日9時から3時までパソコンにしがみついて取引をやっていましたし、まだネット取引がなかったころは、しょっちゅう証券会社に電話したり足を運んでいました。
自分で株価を記録してグラフを作ったり、本を読んで勉強したり、チャート分析をしたり、会社四季報を読んだり、休みの日にも株の研究ばかりしていました。
元々は祖父が持っていた株を、祖父が亡くなった時に譲り受けて、自分でもへそくりをつぎ込んで、長年にわたってやってきました。
仕事以外では、父にとって、株が生活のすべてだったと言っても過言ではありません。
それが89歳までやって、たった400万円しかないなんて、逆にその金額でよくあそこまで夢中になってやれたなと、不思議なくらいです。
他には投資用のワンルームマンションを2部屋購入して、家賃収入を得ていた時もあったようですが、それもすでに売却済みだそうです。
かなり前から入居者がおらず、空き室の状態が続き、採算が合わなかったそうです。
マンションもすべてローンで買っていましたから、結局は儲ける目的でやっていた不動産投資でも、ほとんど利益を上げることはできなかったみたいです。
株はバブルもバブルの崩壊も経験していますが、バブルが崩壊した時は、母親によると、ものすごく落ち込んでいたそうです。
バブルで儲かっていた時は、もう少しで目標の大台達成だと言っていたのを覚えていますが、私はその大台というのを1億円だと勝手に思っていましたが、もしかしたら1000万円だったのでしょうか。その辺はいまだに本人は一切しゃべりませんので、謎のままです。
バブルの崩壊でやられ、リーマンショックでやられ、父も何度も痛い目にあいながらも懲りることなく、ずっと株式投資を続けてきたのです。
でも400万円しか残っていないとしたら、あとのお金はどこへ消えたのでしょうか。まさか最初からその金額以下だったとは思えませんが。
いずれにしろ今の私から見たら、父が成功しなかった原因ははっきり言えます。
それは日本の個別株のみに投資していたことです。
まだ父の若かったころは、外国株に投資している人なんてほとんどなく、またどうやって海外に投資するのかなんて、難しくてわからなかったでしょう。
今のように投資信託を使って、全世界のインデックスに投資するなんて考えはなかったのでしょう。
もし父が早くからアメリカの株やETF、あるいは世界の株式に投資していたら、結果は大きく変わっていたでしょう。
まあ趣味として楽しんだので、良しとすればいいのかもしれませんが、でも目的はあくまで儲けることだったはずなので、父としては不本意でしょう。
これで私には、親の遺産相続など当てにしてはいけないということになりましたが、それよりも、なんだか年老いて弱った父の姿とともに、株もやめてその資産が400万円しかないという父がなんとも哀れに思えてなりません。
こうなったら父の成しえなかった夢を私が代わりに実現させてやりましょう。
普通に専業主婦の妻と結婚し、2人の子供を育てた父を私は尊敬します。
ただ私が結婚しないからと言って、その生き方を否定されるのは困ります。
昔は違ったかもしれませんが、今は生き方の多様性が認められている時代です。
現実には偏見や差別もありますが、結婚するのも家庭を持たないのも本人の自由、仕事だって男は定年まで正社員で働くという以外の働き方だって尊重されるべきです。
それにそうしたくたってできない人もいっぱいいる訳で。
そんなわけで、私は父と同じようには生きられませんでしたが、父とは違う形で幸せに生きたいと思います。
資産運用では父の成し遂げられなかった夢をぜひとも成し遂げたいと思います。
それではまた。